河川氾濫等に関する情報 新しい防災気象情報ではこう変わる

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シリーズで解説する新しい防災気象情報
第1回の今回は「河川氾濫等に関する情報」についてです。

5月28日(木)午後1時から順次提供される、新しい防災気象情報では
これまで市町村ごとに発表されていた「洪水警報・洪水注意報」は廃止され、
「○○川レベル2 氾濫注意報」、「○○川レベル3 氾濫警報」、「○○川レベル4 氾濫危険警報」、「○○川レベル5 氾濫特別警報」というように、河川名+警戒レベル+情報名の形で
統一感のある名称に変わります。

〇発表単位は河川ごと

出典:気象庁ウェブサイト「指定河川洪水予報の対象河川

この情報は「洪水予報河川」と呼ばれる大河川ごとに発表されます。この「洪水予報河川」、皆さんも一度は耳にしたことがあるような、お住いの都道府県にとって代表的な川が指定されています。全国では400以上の河川が指定されていて、(2026年3月17日現在)
関東地方を例にみると、荒川や多摩川、利根川などが、この「洪水予報河川」とされています。

こうした複数の都府県や地域にまたがるような大河川はひとたび氾濫すると重大な被害をもたらしてしまうため、気象庁は国土交通省や都道府県と共同で河川ごとに洪水予報を行っています。
流域面積の大きい大河川は気象レーダーやアメダス等の雨量計のデータから上流に降った雨の量を把握し、中小河川に比べると河川の水位上昇の予測を精度よく行うことができるため、ある程度前もって危険度の上昇を見通すことができます。

〇発表されたらどうすればいい?

では、情報が発表されたときの行動について見ていきます。
先ほど洪水予報河川に関して解説しましたが、こうした洪水予報河川には必ずハザードマップが作成されています。まずは、自分がよくいる場所(自宅や勤務先など)がハザードマップでどうなっているのかを事前に確認しておきましょう。

その上で、レベルに応じた避難行動を見ていきます。
レベル3の氾濫警報は、自治体が「高齢者等避難」を発令する目安となる情報となります。
洪水浸水想定区域の中にいる、高齢者、障がいがある方、乳幼児とその家族など避難に時間がかかる人が早めに避難を始めるタイミングです。
レベル4の氾濫危険警報は自治体が「避難指示」を発令する目安となる情報となります。
洪水浸水想定区域にいる人は安全な場所に避難するタイミングです。
レベル5の氾濫特別警報は実際に氾濫が発生した場合や切迫していることを知らせる情報です。このタイミングではすでに浸水が発生していて、屋外に避難すること自体が危険だったり、困難になっている可能性が高いため、決してレベル5の特別警報を待つことなく、レベル4までに安全な場所に避難してください。

出典:内閣府 防災のページ「新たな避難情報に関するポスター・チラシ

そして、避難というのは「難」を「避」ける行動です。安全な避難場所とは、
自治体が指定している指定緊急避難場所だけではありません。
指定緊急避難場所に移動することにこだわらず、周りより小高い場所にあって浸水しない知人や親せきの家、ホテルや旅館なども避難場所にすることができます。
避難は原則、「水平避難(立ち退き避難)」をしてください。建物の高い階に避難する「垂直避難」はやむを得ない場合に限られます。

また、ハザードマップを確認する際に注目したいのが、自宅等が「家屋倒壊等氾濫想定区域」に入っているかどうかです。この場所は氾濫が発生した場合、川の激しい流れで家ごと流されてしまう可能性がある地域です。垂直避難はできませんので、警戒レベル4までに水平避難(立ち退き避難)をする必要がある点に注意をしてください。

今回は「河川氾濫等に関する情報」について見てきました。
気象庁が発表する情報・自治体が発令する情報をしっかりと理解して、命を守る行動を取れるようにしておきましょう。

第2回は「大雨に関する情報」について解説します。

執筆者:真治大輔
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