雲の一日を“体験”で理解 映像で学ぶ気象のしくみ

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日々空に映し出される、光と雲の織りなす造形は、神秘的な美しさがあります。
そんな自然美ですが、物理現象として科学的な説明がつくのもまた興味深いものです。

例えば、夜明けの海にベールをかけたような「海霧」。
このような霧は、暖かい海の上に冷たい空気が触れ、空気中の水蒸気が凝結することで発生します。朝になり気温が上がり始めると自然と消えていく儚さもまた美しさです。

“海霧の中を歩けたら”
そんな没入体験ができる展示「Sky 雲の旅」が4月25日から日本科学未来館(東京都江東区)で公開されます。
科学データにもとづく映像や、霧・風などの演出で立体的に再現したインスタレーション作品です。

作品では、一日の中の多彩な雲の様子が描かれています。
海霧が晴れたあとの朝の空には、天から伸びてくる柔らかい光「薄明光線」。「天使のはしご」とも呼ばれます。
太陽の光が、雲の隙間から地上へ射し込む際、光の通り道が雲の粒に散乱することで見える現象です。

次は、昼間に急発達する雲「積乱雲」が空の主役に。
雲は、地上付近の暖かい空気が上昇気流によって持ち上げられ、上空で冷やされることで水や氷の粒となって発生します。

視点はミクロな世界へ。雲の元となる氷の粒、結晶に注目します。
氷の結晶つまり雪は「六花」という美称を持つように、幾何学的な六角形が特徴です。結晶は、気温や水蒸気の量によって決まったアルゴリズムで形成され、六角形であることは水分子の形状によって必然なんです。
作品では、氷の結晶一つひとつを、科学データにもとづいて精緻に描き出しているそうです。

まさに没入感!

映像は夕方になり、夕立の後に「虹」が架かりました。
虹は、太陽の光が雨粒に屈折・反射することで発生します。空に大きな弧を描く虹ですが、上映空間では虹の端と端が、床面を伝って繋がっています。これは空から見た虹で、虹の本当の姿「円」を再現しているそうです。

刻々と姿を変える多彩な雲を追いながら、気象研究への理解と発見を得ることができる映像作品。映像として体験することで、雲や光の現象がより具体的にイメージできるようになり、日々何気なく見上げている空も、少し違った見え方になるかもしれません。

※展示の詳細(上映日・時間など)は日本科学未来館 公式ホームページをご確認ください。

「Sky 雲の旅」
監修     荒木 健太郎 (雲研究者)
企画・制作  日本科学未来館

執筆者:宇野日和
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