【第5回】新しい防災気象情報 警報等を補足する「気象防災速報」と「気象解説情報」とは

執筆記事

出典:気象庁 新たな防災気象情報について(令和8年~)
「気象情報(解説情報)の改善~気象防災速報・気象解説情報への整理~」をもとに加工

シリーズで解説する新しい防災気象情報
第5回の今回は「気象防災速報」と「気象解説情報」についてです。

〇見出しが付いてわかりやすく これを見たら危機感高めて! 「気象防災速報」

これまで気象庁は、すでに発生した記録的な大雨や大雪を伝える情報として、
記録的短時間大雨情報、顕著な大雨に関する気象情報、顕著な大雪に関する気象情報を、
これから竜巻などの激しい突風が発生しそう/すでに発生したことを伝える情報として
竜巻注意情報を発表してきました。
線状降水帯が発生したことを知らせる顕著な大雨に関する気象情報は名称に「線状降水帯」という文字がなく、直感的にどのような情報なのかわかりにくくなっていたということもあり、
5月28日の午後から順次提供される新しい防災気象情報では、
記録的な大雨や大雪など極端な現象を速報的に伝える目的で、
「気象防災速報」という見出しをつけ、後ろのかっこの中に何に着目した情報なのかを付記する形でわかりやすく整理されました。

▼気象防災速報(記録的短時間大雨)
 この情報は数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測したり、気象レーダーで解析した場合に発表されます。その地域にとって災害の発生につながるような、めったにない雨量であることを知らせる情報です。

▼気象防災速報(短時間大雪)
 この情報は3時間から6時間といった短時間のうちに急激に積雪が増加し、今後も警報級の降雪が続くと予想される場合に発表されます。降雪の勢いに除雪が間に合わず、車の立ち往生など大規模な交通障害が発生する可能性が高い状況で、一層の警戒が必要です。

▼気象防災速報(竜巻注意/竜巻目撃)
 この情報は発達した積乱雲により、今まさに竜巻などの激しい突風が発生しやすい状況である場合や実際に竜巻などの激しい突風が目撃された場合に発表される情報です。

▼気象防災速報(線状降水帯発生)
 この情報は大雨による災害発生の危険度が急激に高まっている中、線状降水帯が発生し、
同じ場所で非常に激しい雨が降り続いている状況を知らせるものです。
これらの「気象防災速報」を見聞きしたときは、線状降水帯などの極端な現象がすでに発生していたり、目前に迫っている状況です。自分に命の危険が差し迫っていると、危機感を高めた行動をとるようにしてください。

出典:気象庁 新たな防災気象情報について(令和8年~)
「線状降水帯(直前予測)について」をもとに加工

〇新たにスタート! 線状降水帯直前予測

線状降水帯が発生する可能性が高まっていることを、発生の2~3時間前を目標に伝える「線状降水帯直前予測」が新たにスタートします。近年行われた気象レーダーの性能向上や気象モデル(局地モデル)の高解像度化によって予測可能となりました。
この情報は○○県北部など都道府県を複数の大きな地域に分けた「一次細分区域」ごとに発表されます。また、線状降水帯の発生する可能性が高まっている地域を赤色のメッシュで地図上に表示した「線状降水帯予測マップ」は気象庁のホームページで確認することができます。

出典:気象庁 新たな防災気象情報について(令和8年~)
「気象情報(解説情報)の改善~気象防災速報・気象解説情報への整理~」をもとに加工

〇実況とこれからの予想はこれを見て 「気象解説情報」

気象庁はこれまで注意・警戒を呼び掛けることを目的に「気象情報」を発表してきましたが、
「線状降水帯の半日前予測」は大雨に関する気象情報の中に書かれていて、さまざまな情報が発表される中、埋もれてしまう可能性がありました。今回、新しい防災気象情報では「気象解説情報」という見出しを付け、後ろのかっこの中に「線状降水帯半日前予測」と記載、単独の情報とすることで、情報にたどり着きやすいように変わります。また、台風の実況や予想に関する情報、従来の注意・警戒を呼び掛ける情報もこの「気象解説情報」の枠組みに整理されます。

出典:気象庁 新たな防災気象情報について(令和8年~)
「線状降水帯(直前予測)について」をもとに重要部分を抽出し加工

〇線状降水帯に関する情報が発表される流れは?

特に注目度の高い線状降水帯に関する情報について、どのような順番で発表されるのか、
また、その情報が発表されたときの行動について見ておきましょう。
線状降水帯の発生が予想される半日ほど前には「気象解説情報(線状降水帯半日前予測)」が発表されます。ここでは、大雨に対する心構えを一段高めて、避難の準備などを行うタイミングです。

そして、発生の2~3時間ほど前には「気象防災速報(線状降水帯直前予測)」が発表されます。
この情報が発表される状況ではレベル4の危険警報が発表されるタイミングと重なるため、
自治体の避難情報や周辺の状況を確認し、適切な避難行動をとるようにしてください。

線状降水帯が発生した場合は「気象防災速報(線状降水帯発生)」が発表されます。
この情報が発表された場合、避難情報や周辺の状況を確認して、速やかに身の安全を確保する行動をとるようにしてください。

そして注意が必要なのは、これらの情報はあくまで段階を踏んで発表できた場合です。
半日前予測や直前予測が発表されていない状況でいきなり線状降水帯が発生することもありえます。最新の情報に注意して、命を守る行動をとれるようにしておきましょう。

今回は「気象防災速報」と「気象解説情報」について見てきました。
「気象防災速報」は急激に状況が悪化していることを知らせる情報です。
これを見聞きした時は命を守る行動を取れるようにしておきましょう。

執筆者:真治大輔
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