知って備える 川の防災 ~堤防の決壊や氾濫のしくみを学ぼう~

執筆記事

【堤防の決壊は3パターン!】

車で走ったり、散歩やジョギングをしたりと私たちにも馴染みのある堤防。表面はコンクリートや芝などで保護されていますが、中身は土で出来ているため、川が増水すると決壊する危険があります。堤防が決壊する主な原因は3つ。「越水」「浸透」「侵食・洗掘」です。

越水:水が堤防を越えて流れ出ること。
浸透:水が堤防の土の中にしみ込んで、堤防が弱くなること。
侵食・洗掘:川底や堤防の土が水で削られ、堤防の土台が崩れること。

【川の氾濫を意味する溢水(いっすい)(えっ)(すい)

(あふ)れる水と書いて「溢水(いっすい)」、川や水路から水が溢れ出す現象で、周辺の地域に浸水被害をもたらします。一方で、「越水(えっすい)」は、川の水が堤防を越えて流れ出る現象です。水の流れに勢いがあるため、水が一気に流れ出し、家屋を押し流すおそれがあるので特に注意が必要です。よく似た言葉ですが、その違いを知り、大雨の際には早めの行動を心掛けましょう。

【西日本豪雨でも起こったバックウォーター現象】

本流(大きな河川)が増水すると、そこへ流れ込む支流(小さな河川)の水が流れにくくなり、水位が上昇する現象を「バックウォーター現象」といいます。水が押し戻されるような流れになることもあり、支流の水位が急激に上がって本流よりも先に支流が氾濫したり、耐えきれなくなった堤防が決壊したりする危険があります。

平成30年7月の西日本豪雨では、バックウォーター現象により大規模な浸水被害が発生しました。岡山県倉敷市真備町では、本流の高梁川に流れ込む小田川などの支流で相次いで堤防が決壊し、町の面積の約3割が浸水するなど、51人の方が亡くなりました(災害関連死を除く)。

内閣府防災情報「平成30年7月豪雨災害 対応検証報告書」より

川は私たちに多くの恵みをもたらしてくれる一方で、大雨の際には命に関わる災害を引き起こすこともあります。いざという時に適切な避難行動がとれるよう、川の特性や危険性を知っておくことが大切です。


※私たちは「流域治水アンバサダー」や「流域治水オフィシャルサポーター」として、水害から命を守るための「流域治水」の取り組みや防災気象情報を分かりやすく広く発信しています。

執筆者:服部由佳
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