なぜ香川にはため池が多い!?瀬戸内の暮らしを支えるため池の恵みと備え

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6月15日、香川県まんのう町の満濃(まんのう)池で、田んぼに水を張るために水門を開ける伝統行事「ゆる抜き」が行われます。流れ出る水の量は、最大で毎秒5トン。近隣の5つの市と町のおよそ3千ヘクタールの水田を潤し、江戸時代から続く讃岐の初夏の風物詩となっています。

満濃池は、国内最大級の農業用のため池で、周囲は約20㎞、水深約22m、まるで手を広げたような形をしている池の貯水量は、オリンピックプール6000杯分あまりに相当します。
香川県は、満濃池をはじめ、ため池の数が1万2217個と、兵庫県、広島県に次いで全国3位で、農業用水の約50%をため池に頼っています。 

なぜ、ため池が必要なのか。それは、瀬戸内ならではの理由があります。四国地方は、四国山地を挟んだ北と南で気象の特性が違い、降水量に大きな差があります。
年降水量の平年値は、高知県と徳島南部を中心とした太平洋側は、3000ミリを超えるところが多く、高知県馬路村(うまじむら)の魚梁瀬(やなせ)は日本有数の多雨地域で、4400ミリを超えています。一方で、香川県や愛媛県の瀬戸内側は1000ミリ~2000ミリと少なくなっています。

出典:気象庁ウェブサイト「四国の天候

農林水産省によると、全国のため池の数は、去年3月末時点で約15万個。西日本に数多く分布していて、そのほとんどは農業用水を確保するために江戸時代に造られたものです。そのため、今では老朽化しているものも多く、平成30年の西日本豪雨では決壊などが多数発生し、広島県では1人が亡くなりました。

大雨の際には河川の氾濫や低い土地の浸水だけでなく、ため池にも注意が必要です。自治体によっては、ため池ハザードマップを作製しているところや、ため池の決壊を想定した防災訓練を行っているケースもあります。
自分の周りにはどんな災害のリスクがあるのかを日頃から知っておくことが、長年地域の暮らしを支えてきたため池と“うまく付き合う”ことに繋がるのではないかと思います。

執筆者:服部由佳
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