【第4回】新しい防災気象情報 台風や発達した低気圧接近時の脅威!高潮

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シリーズで解説する新しい防災気象情報
第4回の今回は「高潮に関する情報」についてです。

「高潮」とは、台風など強い低気圧の影響で、海面の水位が上昇することをいいます。
その高潮が発生した際に、海岸の堤防を越えた海水によって
最上階の床の高さまで浸水すると想定される場所や
ゼロメートル地帯などで長期間にわたって浸水が継続すると想定される場所などでは、
立退き避難が必要となります。

○基準を見直し、新たな情報として発表
これまで運用されていた高潮に関する情報では、
特別警報と警報が同じ警戒レベル4相当、
注意報が警戒レベル3と警戒レベル2に分かれていて
危険度が分かりにくいものでした。

新しい防災気象情報では、情報の名称が以下のようになります。
・レベル5 高潮特別警報
・レベル4 高潮危険警報
・レベル3 高潮警報
・レベル2 高潮注意報
レベルが入ることによって、危険度が分かりやすくなります。

また、発表基準が大きく変わりますが、
先に、新たに指定される「高潮予報海岸」について説明します。

出典:気象庁 新たな防災気象情報について(令和8年~)
「高潮に関する情報の改善」をもとに加工

○「高潮予報海岸」の新設、国土交通省・都道府県・気象台が共同発表へ
高潮の発達には主に二つの要因があります。
気圧の低下により海面が上昇する「吸い上げ」と呼ばれる現象と、
湾の奥に向かって強風が吹き続けることにより、海水が海岸に吹き寄せられて海面が上昇する「吹き寄せ」と呼ばれる現象です。
これまで、高潮に関する予報・警報は、「吸い上げ」と「吹き寄せ」による潮位予測を基に、気象庁が発表していました。

多くの海岸では、引き続き潮位予測を基に、気象庁が高潮に関する情報を発表しますが、
国土交通大臣が新たに指定する「高潮予報海岸」では、
従来の潮位予測に加え、地形などの情報を考慮した波の打ち上げ高の予測・観測データを反映させた情報を、国土交通省・都道府県・気象台が共同発表します。
これにより、高潮による浸水被害に対して、今までより的確な情報を発表することができるようになります。

発表基準の話に戻ります。

出典:気象庁 新たな防災気象情報の発表基準等を公表します
「【参考資料】新しい発表基準の特徴等について」をもとに加工

○警戒レベルごとに情報を整理、避難行動につなげやすく
「レベル5 高潮特別警報」の発表基準は、
水位(潮位+波の打ち上げ高)または潮位が、その高さを超えると浸水被害が発生してしまう堤防などの上部の高さに設定されます。
「レベル5 高潮特別警報」が発表された場合、それは浸水がすでに発生、または切迫している状況です。
つまり「レベル5 高潮特別警報」が発表されるより前、
「レベル4 高潮危険警報」のうちに安全な場所に避難する必要があります。

「レベル4 高潮危険警報」の発表基準は、
水位や潮位が、その高さを超えると浸水被害が発生するおそれがある高さに設定されます。
「レベル4 高潮危険警報」は、この高さに達すると予想される6時間前までに発表されることがポイントです。
浸水被害のおそれがある状況となるまで、少なくとも6時間の猶予がありますから、
高潮による浸水被害のおそれがある場所にいる人は、レベル4までに全員安全な場所に避難するようにしてください。

「レベル3 高潮警報」は、浸水被害のおそれがある状況となる12時間前までに発表されます。
避難に時間を要する人は早めに避難や避難の準備を行いましょう。

「レベル2 高潮注意報」は浸水被害のおそれがある状況となる18時間前までに発表されます。
これまで「高潮注意報」として発表されていた軽微な浸水被害に対する注意喚起とは別の情報ですから、
「レベル2 高潮注意報」が発表された際には、
避難場所やルートの確認を行うなど、避難行動につなげる準備をしてください。
また、「早期注意情報」を確認することで、レベル4相当の現象が予想されるか否かを早いタイミングで知ることができます。

ポイントとなるのは、
「レベル4 高潮危険警報」、「レベル3 高潮警報」、「レベル2 高潮注意報」の各情報が、浸水被害のおそれのある状況からリードタイムをとって発表される点です。
台風が近付くと、暴風によって、避難が困難になることが考えられます。
海岸近くの低い土地にお住まいの方は、台風接近前に安全な場所に移動するなど、状況に応じて避難行動をとることが大切です。

第5回は「気象防災速報と気象解説情報」について解説します。

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