
シリーズで解説する新しい防災気象情報
第2回の今回は「大雨に関する情報」についてです。
大雨に関する情報の変更点
これまで運用していた大雨に関する情報には
・大雨特別警報(浸水害):警戒レベル5相当
・大雨警報(浸水害):警戒レベル3相当
・大雨注意報:警戒レベル2
という3段階の防災気象情報がありました。
これらは大雨が降った際の低い土地の浸水被害などへの注意喚起の役割を持っていました。従来の情報では警戒レベル4相当の情報がなく、警戒レベルが3→5へ跳ね上がる運用で、適切な避難のタイミングにつなげることが難しいものでした。
そこで、新しい防災気象情報では以下のようになります。
・レベル5大雨特別警報
・レベル4大雨危険警報
・レベル3大雨警報
・レベル2大雨注意報
最大の変更点は「レベル4大雨危険警報」が新設されたことです。これにより警戒レベル2→3→4→5と順番にレベルが上がっていくことになるため、災害の切迫度が理解しやすくなり、避難するタイミングの判断に役立てることができます。
また、従来の洪水警報等がなくなるため、河川の氾濫についても大雨に関する情報で扱うことになります。対象となる河川は主に中小河川で、次の章で詳しく解説します。
対象となる災害

出典:気象庁 新たな防災気象情報について(令和8年~)
「河川氾濫・大雨に関する情報の改善」より抜粋
大雨に関する情報で対象となる浸水害は3タイプに分けられます。
まず一つ目は「氾濫型の内水氾濫」です。いわゆるゲリラ豪雨のような短時間の激しい雨などによって雨水を排水しきれなくなり発生する浸水害です。地方よりもアスファルト舗装された都市部で被害が目立ちます。
二つ目は「湛水(たんすい)型の内水氾濫」です。「湛水(たんすい)」とは土木などの分野で使われる言葉で、「水が溜まっている状態」という意味があります。つまり、湛水型の内水氾濫とは、大雨によって近くの川の水位が上がってしまい、街中の雨水を川へ排水できなくなり発生する浸水害です。川の水位が上がることでいわば「雨水の出口が詰まっている」状況になり、街中に水が溜まってしまい浸水が発生します。
三つ目は「河川の外水氾濫」です。「外水氾濫」とは川の水位が上昇し堤防を越える(越水)または、堤防が破損(決壊)するなどで、川が氾濫して発生する浸水害のことです。ここで注意したいのは、洪水予報河川に指定されている大きな河川は氾濫警報等で情報が発表されますが、それ以外の中小河川は大雨警報等で情報が発表されるということです。洪水予報河川に指定されているかどうかは、【第1回】新しい防災気象情報 大河川の氾濫から避難するためにで掲載されています。
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気象庁 キキクルの表示イメージ
2025年8月11日午前5時の熊本県内の状況
いざ、大雨で浸水の恐れがあるときはどうしたらよいのでしょうか。防災気象情報はテレビやラジオなどのメディア、スマートフォンの防災アプリ、気象庁HPなど様々な媒体で入手することができます。
しかし、大雨警報等は市町村単位での発表となるため、同じ市内でも本当に危険なエリアと危険度が高くないエリアが存在します。
自分がいる、家があるエリアの危険度をいつでも、どこでも確認できる方法が気象庁の「キキクル」というページです。大雨の際に、総合的な浸水リスクを1㎞四方で地図上に5段階で色分けしてリアルタイムに表示してくれるため、視覚的に分かりやすい情報です。
スマートフォンでも見ることができるため、いつでも、どこでも見られるのが強みです。「キキクル」を活用し、避難に役立てましょう。
第3回は「土砂災害に関する情報」について解説します。


