
シリーズで解説する新しい防災気象情報
第3回の今回は「土砂災害に関する情報」についてです。
〇警戒レベルがわかりやすく、統一感ある名称に
これまで運用されていた土砂災害に関する情報では、
警戒レベル2の情報として「大雨注意報」、警戒レベル3に相当する情報として「大雨警報(土砂災害)」、警戒レベル4に相当する情報として「土砂災害警戒情報」、警戒レベル5に相当する情報として「大雨特別警報(土砂災害)」がありました。
ただ、情報の名称が「警報」や、「警戒情報」など、危険度がわかりにくく、統一感のない状態でした。
そこで、5月28日(木)午後から順次提供される、新しい防災気象情報では
「レベル2 土砂災害注意報」、「レベル3 土砂災害警報」、「レベル4 土砂災害危険警報」、
「レベル5 土砂災害特別警報」というように、名称の中にレベルが入って危険度がわかりやすく、統一感のある名称に変わります。

〇レベル3土砂災害警報が出たら今まで以上に危機感持って!
今回、発表基準の変更により、レベル3土砂災害警報はレベル4を見据えた情報へと変わります。レベル3土砂災害警報は数時間のうちにレベル4土砂災害危険警報が発表されるという、いわば予告的な情報と言えます。
これまでの大雨警報(土砂災害)は、発表される回数も多く、深刻な土砂災害が発生しない場合でも発表されていたこともあって、空振り感がありました。
ただ、今後はレベル3土砂災害警報が発表されたときは、もうすぐレベル4になるぞというイメージをもって、これまで以上に危機感をもった行動をとる必要があります。
ただこれは、あくまで段階を踏んで予測ができた場合・・・
線状降水帯が発生するなど、雨の降り方に急激な変化がある場合は、レベル2土砂災害注意報からレベル4土砂災害危険警報にいきなり変わるということもあるため、雨の降り方に注意しつつ、適切な行動を取れるように事前に準備やシミュレーションをしておきましょう。

気象庁 キキクルの表示イメージ
2025年8月11日午前10時の熊本県内の状況
〇発表単位は市町村ごと 詳しくは土砂キキクルを確認!
レベル3土砂災害警報などの情報は市町村ごとに発表されます。ただ、同じ市町村の中でも危険度が違うということも多くあります。
そんなときは「土砂キキクル」を見るようにしてください。この「土砂キキクル」、リアルタイムで土砂災害の危険度が地図上にわかりやすく表示されるものです。これを見ながら自分がいるエリアの危険度を色でチェックするようにしてください。

〇情報が発表されたらどうすればいい?
では、情報が発表されたときの行動について見ていきましょう。
レベル3の土砂災害警報は「高齢者等避難」の発令の目安となる情報です。
土砂キキクルの赤色かつ土砂災害警戒区域にいる場合、高齢者や障害を持つ方、乳幼児がいるご家庭など避難に時間がかかる人は避難を始めるタイミングです。
レベル4の土砂災害危険警報は「避難指示」発令の目安となる情報です。
土砂キキクルの紫色かつ土砂災害警戒区域にいる人は全員、安全な場所へ避難するようにしてください。
レベル5の土砂災害特別警報はすでに土砂災害が発生している可能性が極めて高く、
今いる場所でできる命を守る行動をとるようにしてください。
レベル5の特別警報が発表されるような状況では安全な避難ができないため、
この情報を決して待つことなく、レベル4までの段階で安全な場所に避難するようにしてください。

出典:気象庁 リーフレット
「土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)の活用 ~土砂災害から命を守るために~」より抜粋
〇避難は「土砂災害警戒区域」の一歩でも外へ
土砂災害で避難する際は、「土砂災害警戒区域」の外に出ることがとても重要になります。
これは、土砂災害警戒区域というのは土石流やがけ崩れの影響が及ぶ範囲が指定されているためです。言い換えれば、ここから一歩外に出るだけで、命が助かる可能性が格段に高くなるということになります。逆に、家にとどまってしまうと、家ごと土砂に押し流されてしまうおそれがあり、大変危険です。土砂災害の避難は垂直避難ではなく、土砂災害警戒区域の外へ一歩でも出る水平避難(立ち退き避難)をするようにしてください。
自宅等が土砂災害警戒区域に入っているかは、各自治体のハザードマップやWEBサイト「重ねるハザードマップ」を見て事前に確認しておきましょう。
今回は「土砂災害に関する情報」について見てきました。
気象庁が発表する情報・自治体が発令する情報をしっかりと理解して、命を守る行動を取れるようにしておきましょう。
第4回は「高潮に関する情報」について解説します。


